ノートパソコンを使っているとファンが回転するが気になって仕方ないときがあります。今回はその原因とファンの音を静かにさせる方法を紹介します。
ファンの役割
パソコン内部に発生した熱を外側に逃し、パーツを冷やす役割があります。CPUは熱を持ちやすいので、ノートパソコンには「CPUファン」と呼ばれるものが付いていることが多いですが、「Core M」といった発熱を抑えたCPUにはファンが付いていないものもあります。
パソコン内部の温度が高くなるとパーツが傷む原因にもなりますし、動作が遅くなることもあります。だいたいCPU温度が100度を超えたあたりで電源が落ちることが多いです。
パソコン内部の熱を逃がすには、ヒートシンクと呼ばれる金属の板をCPUに密着させ、熱電動を利用しファンの送風で熱を外部に逃がすことができます。CPUとヒートシンクをくっつけただけでは隙間ができるのでCPUグリスを塗ることで隙間をなくし効率よく冷却することができます。このCPUグリスは経年劣化で硬化してしまうことも多く、カチカチの状態になってしまうとCPUが冷却されず高温になり、動作が異常に遅くなったり、電源が落ちたりする「熱暴走」という状態になることもあります。
熱を持ちやすい機種
基本的にCPUの性能が高いと消費電力も高いので、熱を持ちやすいです。「Core i7」「Core i5」の上位モデルのノートパソコンはファンの音がうるさくなりやすい傾向があります。
ファンがうるさくなる原因
- CPUの冷却ができていない
- 埃が溜まって排熱されず、内部に熱がこもっている
- ハイパフォーマンスで使用する設定になっている
1と2に関してはパソコンを分解しなければ対応できないので、ここではすぐに試すことができる3番の設定を変更手順をご案内します。
まずはCPU温度の確認
設定変更の前に、まずはCPUの温度を確認をしてください。上に挙げたCPUグリスが硬化してしまっていたり何らかの原因でCPU温度が高い場合、今からやる設定変更を行っても根本的な解決にはなりません。CPUが高温のままファンの回転数を落としてしまうと、冷却が追いつかなくなり最悪CPUや他のPCパーツが故障してしまう可能性もあります。
https://www.alcpu.com/CoreTemp/
上記リンクからCoreTempというCPU温度をモニタリングできるアプリをダウンロードし確認してみてください。機種や状況にもよりますが、80度までだったら正常な範囲と言えるかと思います。
冷却ポリシーと最大プロセッサの状態の設定を変更する
画面左下のWindowマーク、スタートニューを右クリックし「電源オプション」をクリックします。
「プラン設定の変更」画面から「詳細な電源設定の変更」をクリック。
「電源とスリープ」画面の右サイドにある「電源の追加設定」をクリック
「プラン設定の変更」をクリック
「電源オプション」から「プロセッサの電源管理」を開き「システムの冷却ポリシー」を「パッシブ」に変更します。
- アクティブ:CPUの動作速度を下げず、ファン回転数を上げ冷却。
- パッシブ:ファンの回転数を上げる前に、CPUの動作速度を下げて冷却を試みる。
これを行ってもファンの回転音に変化がない場合「最大のプロセッサの状態」を変更します。
「システムの冷却ポリシー」の下にある「最大のプロセッサの状態」を変更します。95%→90%→85%とういように少しづつ様子を確認しながら変えていくのがいいと思います。ちなみに私が実際にファンがうるさい機種で確認したときは、80%まで落とさないと静かになりませんでした。
この設定を変更すれば、大体の場合ファンの回転数を落とし静かにさせることができると思いますが、パフォーマンスを落とした設定にしているためパソコンの動作に影響が出てしまいます。その影響が気になるかどうかは人によって変わると思いますので、ファンの音よりパフォーマンスが落ちるほうが嫌だという方や、設定を変えて温度が80度を超えて本体が熱い、といった場合は元に戻して使用してください。
温度が下がらない場合は
CPUが高温で電源が落ちたりする場合はCPUグリスを塗り直すと改善することが多いです。分解や作業方法は機種によってかわるので参考程度にしかなりませんが、VAIO Pro 13のグリス塗布の方法を紹介します。
機種によって違いますが、大体裏面パネルを外してマザーボードが見える状態にならないと作業ができないと思いますので「●●機種名 分解」などといったワードで分解方法がネットにあるか検索してください。
赤枠がCPU部分、黄色枠がヒートシンクとCPUファンです。この機種はファンとヒートシンクが一体になっています。ファン側、CPU側のネジを外し取り外しますが、CPUグリスが劣化でカチカチに固まっている場合があるのでゆっくり外してください。
ヒートシンクを外すと上記画像のようにグリスが塗られていますので、無水エタノールできれいに拭き取ってください。綿棒を使うと作業しやすいと思います。
グリスを塗り直したらヒートシンク、ファンを組戻完了です。グリスは薄く均一に伸ばすのが良い、と言われていますが私は結構アバウトです。
以上、機種によって違うので参考までに。